石澤敦のメディカルインフォ

血管性認知症(VaD:Vascular Dementia)(3)

追記

血管性認知症(VaD)とアルツハイマー型認知症(AD)との関係

  • ① 高齢者では、AD病理所見と脳血管障害病理の併存がしばしば認められる。
    ※脳血管障害(CVD)を有するアルツハイマー型認知症(AD with CVD)
  • ② 脳血管障害は、ADの病態を修飾する危険因子である。
  • ③ アルツハイマー型認知症の場合であっても、血管性認知症の要因を少しでも取り除く(予防する)ことは重要である。

CADASILでは、若いころから前兆を伴う片頭痛や抑うつを呈し、脳梗塞や認知機能低下を認め、MRIでは、広範な白質病変、ラクナ梗塞、微小脳出血、脳萎縮を認める。
中でも、側頭葉極白質外包における、白質病変が特異的に認められる。

追記

血管性認知症(VaD)とアルツハイマー病(AD)との大まかな鑑別点
(認知症サポート医フォローアップ研修:2016/09/03)

血管性認知症の治療

  • ■ 血管性認知症(VaD)とアルツハイマー病(AD)との大まかな鑑別点
  • “いかに脳血管障害を引き起こさないか”が重要なポイントとなる。
  • ■ よって、血管性認知症は、脳血管障害の危険因子を厳格に管理することで、「予防可能な認知症」とも言える。
  • ■ 危険因子の管理:動脈硬化進展を阻止する

血管性認知症の症状改善のための薬剤

  • ■ 現時点で、「血管性認知症」に対して保険適応を有する抗認知症薬はない。
  • ■ いくつかの研究では、それなりの効果が示されている薬剤は存在する。
  • ■ アルツハイマー型認知症との併存が認められる場合も多く、このようなケースでは抗認知症薬の使用が考慮される。
  • ■ 症状改善薬として次の薬剤が用いられる。
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