石澤敦のメディカルインフォ

片頭痛の新たな治療

片頭痛の治療には、急性期治療の頭痛頓挫薬(トリプタン製剤)と様々な予防薬を併用しても、十分に頭痛をコントロールできないケースが見受けられる。そして、これらのケースをどう治療すべきかについては長い間課題とされてきた。
片頭痛の発生機序に関する「三叉神経血管説」が広く受け入れられているようになり、その根幹をなすカルシトニン遺伝子関連ペプチド(calcitonin gene-related peptide:CGRP)を標的とした治療薬が2021年上市された。
現時点では、CGRPに直接結合しその働きをブロックするモノクロナール抗体薬と、CGRPが結合する受容体をブロックし片頭痛を抑制するモノクロナール抗体薬がある。
その作用機序の概略に関しては、次の模式図を参照。

CGRP関連モノクロナール抗体薬

これら薬剤に関しては、使用経験が未だ浅く、効果、副作用の情報が必ずしも十分でないため、厚生労働省から発出された「適正使用のガイドライン」に基づいて投与しなければならない。その詳細に関しては後述。

使用に当たっての留意事項
患者選択(投与対象となる患者の要件)
効果について
効副作用について
【参考】アナフィラキシーの重症度評価
【参考】アナフィラキシー反応発現時の一般的初期対応
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